栄養機能食品に子供の身長を伸ばす効果が本当に期待できるのか?

栄養機能食品を摂取することで、子供の身長を伸ばす効果が本当に期待できるのかすごく気になっていると思います。
実際に栄養機能食品というのは、どういった基準で運営されている制度なのかを紹介しますので、それを元に期待できる効果も解説。
子供の栄養補給に活用すべきだと言われている栄養機能食品で、摂取できる栄養成分の活用目的を間違えないことも大切かもしれません。
目次
栄養機能食品の基準を完全検証すると、その効果もわかる?
最初にお伝えしますが、栄養機能食品という制度は実はかなり緩い制度で運営されているものなので、もしあなたがすごく効果的なものだと思っているのなら、その考えは改めるべきかも。
実際に栄養機能食品として販売するためには、特別な検査が必要だったり、申請したりすることもなく、各企業が自由に活用できる制度。
だから実際に効果や効能が確認されている商品ではない。ということを最初に理解してください。
栄養機能食品に含まれる栄養成分は、主にビタミン類やミネラル類。
この栄養成分を補給するために利用される食品のことで、栄養成分の機能を有しているから、栄養機能食品として販売することができます。
栄養機能食品には、一日あたりの栄養摂取目安量が決まっており、その上限と下限の間に収めること、さらに注意喚起も徹底することで、はじめて栄養機能食品として伴場することが可能に。
トクホではないので、効果や効能があるという記載も出来ませんし、消費者庁長官の認定を受けたというような記載も出来ません。
あくまでも栄養成分を補給することができることというのが、栄養機能食品に求められていることなので、それ以上の説明を行うことは不可能。
では実際に栄養機能食品で、摂取することができる栄養成分とその摂取目安量はどの程度なのかを、次の項目で解説します。
栄養機能食品で摂取できる栄養成分の種類と量は?
栄養機能食品として販売できるのは、5種類のミネラル類と12種類のビタミン類を含有している商品。
実際の栄養摂取目安量の上限値と下限値に収まっていれば良いので、多くても少なくても全く問題がありません。
栄養素 | 下限値 | 上限値 |
亜鉛 | 2.10mg | 15mg |
カルシウム | 210mg | 600mg |
鉄 | 2.25mg | 10mg |
銅 | 0.18mg | 6mg |
マグネシウム | 75mg | 300mg |
ナイアシン | 3.3mg | 60mg |
パントテン酸 | 1.65mg | 30mg |
ビオチン | 14μg | 500μg |
ビタミンA | 135μg | 600μg |
ビタミンB1 | 0.30mg | 25mg |
ビタミンB2 | 0.33mg | 12mg |
ビタミンB6 | 0.30mg | 10mg |
ビタミンB12 | 0.60μg | 60μg |
ビタミンC | 24mg | 1000mg |
ビタミンD | 1.50μg | 5.0μg |
ビタミンE | 2.4mg | 150mg |
葉酸 | 60μg | 200μg |
成長応援飲料や身長サプリメントに含まれる栄養機能食品の成分は?
実際に成長応援飲料や身長サプリメントとして販売されている商品に含まれている栄養機能食品の成分としては、
- カルシウム
- 鉄分
- ビタミンD
この3種類のいずれかもしくは、そのすべてを含んでいる商品が多いように思います。
確かに、成長期の子供に必要な成分だったり、骨の成長に役立つ成分が含まれているので、栄養機能食品という言葉と合わせると、非常に効果的な印象かも。
でも実際にそれぞれにどのような効果があるのかを考えると、これらの成分を栄養機能食品で摂取することのメリットやデメリットが見えてきます。
カルシウムの効果や作用とは?
カルシウムは体内も最も多く存在しているミネラルで、貯蔵カルシウムと機能カルシウムの2種類に分類することができます。
貯蔵カルシウムとは、骨や歯の成分として存在しているカルシウムのことで、体重の1.5%〜2%ほども占めるもの。
体内に存在するカルシウムの99%は貯蔵カルシウムで、残りの1%が機能カルシウム。
機能カルシウムとは、血液や筋肉、神経の中に存在するカルシウムで、心臓や脳の働きを調整するなど、生命維持に必要になるもの。
カルシウムが不足することで、骨粗しょう症やくる病などの骨の健康に悪影響が出たり、神経過敏や高血圧、動脈硬化などを引き起こすきっかけも。
吸収率の低いカルシウムですが、過剰摂取が続くと、高カルシウム血症になり、便秘や下痢、頭痛や食欲低下などを引き起こし、重症化すると不整脈や筋肉痛、骨痛などを引き起こす可能性もあります。
一般的に栄養機能食品でカルシウムを摂取する目的は、健康で丈夫な骨を作るためにカルシウムが必要だから。
ビタミンDの効果や作用とは?
ビタミンDは、食べ物で摂取する場合と、日光にあたることで腸内で産生する2つの方法でその効果を発揮してくれます。
ビタミンDの効果は、腸内でのカルシウムの吸収率をアップさせること。
元々カルシウムは吸収率のよい乳製品でも、4〜5割、小魚などでは3割ほどしか吸収することができませんので、その吸収率を改善し、より効率的に活用することができます。
だから不足がちなカルシウムをしっかり吸収し、健康で丈夫な骨を作る際に役立つことに。
鉄分の効果や作用とは?
鉄分は血液内の赤血球を構成する成分で、体内には一般的に4gの鉄分があるとされており、その内の7割がヘム鉄としてヘモグロビン内にあり、残りは貯蔵鉄として肝臓や脾臓などに蓄積。
鉄分には、造血作用・貧血予防・疲労回復・骨や歯を丈夫にする作用・タンパク質代謝促進という効果が期待でき、骨や歯の強度に役立つことがわかります。
鉄分が不足すると、頭痛やめまい、疲労感や倦怠感が増えるなど、健康上のトラブルも起こりますし、女性は貧血になりやすいので、不足しないように摂取することが大切。
栄養機能食品と特定保健用食品(トクホ)はまったく別物。
栄養機能食品の話をすると、特定保健用食品(トクホ)と誤解する人もいますが、まったく別物だと理解してください。
特定保健用食品は、各企業がその効果や効能を確認し、消費者庁長官の認可を受けてはじめて販売することができる商品。
だから本当に効果や効能を、個別にチェックして確認することができないと使うことができない基準ですが、栄養機能食品は違います。
栄養機能食品は先ほども紹介したように、摂取推奨目安量に収まっていれば、検査や審査もなく各企業が自由に宣伝に使用することができる基準。
だから効果や効能はなく、栄養補給に役立つというだけのものですし、個別に検査も行なっていませんので、非常に微妙な状態。
さらに言えば、栄養機能食品として成長応援飲料や身長サプリメントに含有されている成分は、身長を直接伸ばす効果があるものではなく、骨の強化に役立つだけものも。
この点が大きく異なりますので、同じような名称に思うかもしれませんが、本当に別物であるということを理解してください。
栄養機能食品で身長が伸びないのは、医師も認めている事実
栄養機能食品として販売されているのは、主に成長応援飲料に多い傾向があります。
セノビックやアスミール、のびのびスムージーなどの牛乳に混ぜるタイプの栄養機能食品では、実際に子供の身長を伸ばすことができないということは明らか。
これは日本小児内分泌学会という、子供の低身長治療を行っている医師団体が、2103年に理事長名で公式見解を発表していることからもわかると思います。
実際に低身長の治療現場にいる医師が、栄養機能食品では子供の身長を伸ばすことができないという事実を認め、過剰摂取による副作用や健康被害に対する懸念までも指摘。
だから本当に子供に栄養機能食品である成長応援飲料を飲ませるのは注意すべきですし、過剰摂取は絶対に避けるべきこと。
こういった事実が明確になっているにも関わらず、セノビックのように1000万袋もの販売実績のある商品があるのも少し驚きます。
確かに牛乳を子供に飲ませたいという気持ちも分からないではありませんが、セノビックは実際に摂取できる栄養成分の8〜9割が炭水化物。
だから成長に必要な栄養成分を摂取できるわけでもなく、原材料には大量のグラニュー糖を含んでいますので、砂糖だらけだということも理解しましょう。
本当に子供にとって必要なものなのか?栄養機能食品の実際の姿を理解した上で、購入すべきか、飲ませるべきなのかを考えてあげてくださいね。
【速報】NHK「所さん!大変ですよ」で身長サプリメントの特集が!
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まだまだ効果に疑問を持っている人が多い身長サプリメントの気になる効果とは?カラダアルファを飲ませている親御さんのインタビューもあります。
【追記】→番組の放送内容まとめ。
>>子供の身長を伸ばすには、普段の食事+サプリメントという考え方が大事!<<
小学生・中学生・高校生が普段の食事で摂取できない栄養素をしっかり配合!他のサプリメントとは摂取できる栄養素の量がぜんぜん違う!
